OTSCを併用した食道ステントの留置 消化管道場 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2021.07.08 2021.06.09 tarou勤務病院の実際 スコープ通過可能な食道癌はステント脱落する可能性があるのでステント留置を控えていました。 しかし、食事摂取の面などの症状が改善できない症例もあり、その場合は中心静脈栄養や胃・腸瘻の継続が必要なります。 確実にQOLを下げている OTSCを併用したステント留置 スコープが通過する狭窄へのステント留置スコープが通過する悪性食道狭窄でもOTSCを施行することでmigritaion予防が可能であるといった報告がなされている。 目次 確実にQOLを下げているスコープが通過する狭窄へのステント留置同様症例を院内倫理員会に通し、施行!80代 女性術前内視鏡画像ステント留置時内視鏡画像術後2日目呼吸性変動に関係なく狭窄範囲の視認が可能なので施行しやすい!右壁!!!今後、コスト・安全面の検討が必要!!!ステントは固く吸引できない!しかし!食道粘膜は吸引できる!自分の感覚を信じよう!ステント部分からスコープを動かしていなければ問題ない!大きく動かすとステントからズレてしまう…しっかりとした吸引は必要であるが大きなスコープ操作は禁忌! 同様症例を院内倫理員会に通し、施行! 実際の症例 80代 女性 主訴:経口摂取が困難。ステント留置目的での紹介 現病歴:1件前から切歯30-35㎝に食道癌(tub2)を認めた。ご家族と話し合い年齢や全身状態から追加治療はせず、経過観察となっていた。半年後フォロー時に経口摂取が困難になってしまった。→当科紹介水分摂取が辛うじてできる(Dysphagia score 3) 既往:19歳 幽門側胃切除 B-Ⅰ吻合後30歳 肋骨骨折83歳 急性肺炎、尿路感染症、横紋筋融解症、椎体圧迫骨折 内服:フロセミド、アルダクトン、クエン酸第一鉄Na、ネキシウム、フォリアミン、ハロペリドール、ヒルナミン、ピレチア、ゾルピデム、アムロジピン 術前内視鏡画像 門歯28-39㎝に全周性狭窄ありただ、GIF-H260は通過可能であった ステント留置時内視鏡画像 スコープが通過するためGIF-H290で治療開始病変口側、病変肛門側にクリップ施行しガイドワイヤー留置クリップ間の狭窄長は110㎜HANARO 18mm×150㎜ 下部食道用ステント留置 GIF-Q260Jへスコープ変更食道ステント、食道粘膜を半々で噛みこむようにOTSC9mm t-typeを食道右壁に留置した 術後2日目 OTSCがステントを噛みこんでいることを確認 術後経過 Day0 ステント留置 Day1 胸部Xpで逸脱のないことを確認 Day2胸部Xpで逸脱のないことを再度確認経鼻内視鏡OTSCが噛みこんでいることを確認スコープの通過を確認水分摂取開始 Day3流動食開始 Day45分粥ソフト食開始 現状、トロミなしの接種は困難5分粥ソフト食までの食形態となった(Dysphagia score 3→2) まとめ 食道ステントは体外マーキングがメインとなっているが、通常スコープが通過すれば口側・肛門側共にクリップすることができる。 この場合… 呼吸性変動に関係なく狭窄範囲の視認が可能なので施行しやすい! 周囲臓器の関係上OTSCをかける場所として望ましいのは… 右壁!!! CTでも周辺臓器を確認し、OTSCで噛みこまない部位に留置すべき! OTSCのコストは病院持ち出し(¥79,800)となる。 長期留置例で脱落などの偶発性の検討は不十分である。 今後、コスト・安全面の検討が必要!!! どの程度吸引するか? どの程度ステントを噛みこめばよいか?の判断が難しい ステントは固く吸引できない!しかし!食道粘膜は吸引できる! 食道粘膜とステントを半分づつ吸引していると食道粘膜の割合が多くなってしまう…そのため、最初に定めた位置がずれていないか心配になってしまう。 自分の感覚を信じよう!ステント部分からスコープを動かしていなければ問題ない! 通常EVL時は空気を吸引すると粘膜も吸引してしまうため スコープを軽く上下にジギングする。 小さな動きは問題ないように思うが… 大きく動かすとステントからズレてしまう…しっかりとした吸引は必要であるが大きなスコープ操作は禁忌! tarou勤務病院での実際を紹介しました。拙いですが…参考になればうれしいです。
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