OTSCを併用した食道ステントの留置

消化管道場
tarou勤務病院の実際
スコープ通過可能な食道癌は
ステント脱落する可能性があるのでステント留置を控えていました。
しかし、
食事摂取の面などの症状が改善できない症例もあり、
その場合は中心静脈栄養や胃・腸瘻の継続が必要なります。

確実にQOLを下げている

OTSCを併用したステント留置

悪性食道狭窄OTSC施行

スコープが通過する狭窄へのステント留置

スコープが通過する悪性食道狭窄でもOTSCを施行することでmigritaion予防が可能であるといった報告がなされている。

実際の症例

80代 女性

術前内視鏡画像

門歯28-39㎝に全周性狭窄あり
ただ、GIF-H260は通過可能であった

ステント留置時内視鏡画像

スコープが通過するためGIF-H290で治療開始
病変口側、病変肛門側にクリップ施行しガイドワイヤー留置
クリップ間の狭窄長は110㎜
HANARO 18mm×150㎜ 下部食道用ステント留置
GIF-Q260Jへスコープ変更
食道ステント、食道粘膜を半々で噛みこむように
OTSC9mm t-typeを食道右壁に留置した

術後2日目

ステント留置
OTSCがステントを噛みこんでいることを確認

術後経過

現状、トロミなしの接種は困難
5分粥ソフト食までの食形態となった
(Dysphagia score 3→2)
まとめ
食道ステントは体外マーキングがメインとなっているが、
通常スコープが通過すれば口側・肛門側共に
クリップすることができる。
この場合…

呼吸性変動に関係なく狭窄範囲の視認が可能なので施行しやすい!

周囲臓器の関係上OTSCをかける場所として望ましいのは…

右壁!!!

CTでも周辺臓器を確認し、
OTSCで噛みこまない部位に留置すべき!
OTSCのコストは病院持ち出し(¥79,800)となる。
長期留置例で脱落などの偶発性の検討は不十分である。

今後、コスト・安全面の検討が必要!!!

どの程度吸引するか?
どの程度ステントを噛みこめばよいか?
の判断が難しい

ステントは固く吸引できない!しかし!食道粘膜は吸引できる!

食道粘膜とステントを半分づつ吸引していると
食道粘膜の割合が多くなってしまう…
そのため、
最初に定めた位置がずれていないか心配になってしまう。

自分の感覚を信じよう!ステント部分からスコープを動かしていなければ問題ない!

通常EVL時は空気を吸引すると粘膜も吸引してしまうため
スコープを軽く上下にジギングする。
小さな動きは問題ないように思うが…

大きく動かすとステントからズレてしまう…しっかりとした吸引は必要であるが大きなスコープ操作は禁忌!

tarou勤務病院での実際を紹介しました。
拙いですが…
参考になればうれしいです。

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