甘く見てはいけない胃潰瘍 解答編1 胃 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2021.07.28 2021.05.15 胃潰瘍に隠れた癌 ↓画像をレトロに見返し検討をしていきましょう 止血時の画像一番わかりやすいかもしれません。 図の領域にある不自然な隆起を確認できましたか? 胃腫瘍の極期は一般的に辺縁が浮腫状になりますが、腫瘍の大きさに比べ不自然に大きい。 図の領域に僅かに落ちた段差を認め(0-Ⅱc)、粘膜模様が細かくなっていることが確認できましたか? 周囲の粘膜模様が浮腫状になっているのに対し、細かくなっているため胃癌が考慮される。 1ヶ月フォロー時の内視鏡画像瘢痕の影響では説明のつかない不自然な隆起が瘢痕周囲に残存していることが確認できましたか? この状態であれば潰瘍による浮腫状変化ではない インジゴカルミン散布の画像がなく、NBIもこの画像のみで詳細ははっきりしませんが、この画像だけでも瘢痕部と周囲の粘膜下層瘍様の隆起は異常であるとわかります。 “厚み”と“硬さ” 上皮性変化を認めない 目次 ↓画像をレトロに見返し検討をしていきましょう止血時の画像1ヶ月フォロー時の内視鏡画像未分化型の進行胃癌を考慮(胃全摘必至)本症例では、緊急時であったため悪性腫瘍の合併に着目できていませんでした。(もしかしたら、腫瘍が顔を出していた可能性も…) フォロー時に上皮変化を認められなかったので、施行した生検は、瘢痕中心の再生上皮のみでした。悪性腫瘍の合併を疑うということは皆さん周知のことだと思います。(…と言いながら次回念のため解説します。)本症例のように未分化型癌の場合は特に気を付ける必要がありますね。POINTとしては、やはり…周囲の“厚み”や“硬さ”にあると思います。そして緊急時は私も止血にいっぱいいっぱいになってしまうことがありますが… 緊急時でも、悪性腫瘍による胃潰瘍ではないか? と疑うことも大切ですね。次回は、解説の続きです。 未分化型の進行胃癌を考慮(胃全摘必至) この画像の生検部では腫瘍粘膜はなく、group1であることは明らかです 胃潰瘍に疑いを持つ 胃潰瘍を認めた際は必ず周囲の0-Ⅱcを確認し、悪性腫瘍の合併はないか評価をする。 瘢痕の周囲に癌の領域がある場合があるので、インジゴカルミン散布、NBIを駆使して腫瘍領域を確認し、適切な生検をする。 粘膜変化だけではなく、周囲の“厚み”や“硬さ”にも注目する。 まとめ 本症例では、緊急時であったため悪性腫瘍の合併に着目できていませんでした。(もしかしたら、腫瘍が顔を出していた可能性も…) フォロー時に上皮変化を認められなかったので、施行した生検は、瘢痕中心の再生上皮のみでした。 悪性腫瘍の合併を疑うということは皆さん周知のことだと思います。(…と言いながら次回念のため解説します。)本症例のように未分化型癌の場合は特に気を付ける必要がありますね。 POINTとしては、やはり… 周囲の“厚み”や“硬さ”にある と思います。 そして緊急時は私も止血にいっぱいいっぱいになってしまうことがありますが… 緊急時でも、悪性腫瘍による胃潰瘍ではないか? と疑うことも大切ですね。 次回は、解説の続きです。 解答編2はこちら
コメント