解答編 この病気はなんでしょう? case1

この病気はなんでしょう?
答え
【この病気はなんでしょう?】は
いかがでしたか?
早速、病名の答え合わせをしようと思います!

原発性アミロイドーシス(AL)

解説

十二指腸の隆起・陥凹領域すべてからアミロイド検出

上部内視鏡検査で浅い白色陥凹領域が多発→陥凹部からはアミロイド沈着を認めた

直腸不整な毛細血管の黄色部からアミロイド検出多発陥凹部からアミロイド検出

S状結腸の発赤領域(やや毛細血管が不整)からアミロイド検出

盲腸の黄色い過形成性ポリープ様病変からアミロイド検出(cold polypectomyで切除)

消化管へのアミロイド沈着

Amyroid support group.「アミロイドーシスへの認識」より
藤沢洌,鳥海純,高橋忠雄.消化器領域におけるアミロイドーシス.最新医学1975;30:1365-72.内野文彌,消化管のアミロイドーシス,日本臨床1991;49:117-21.

アミロイドーシスの種類と肉眼形態

結核菌感染症、関節リウマチ、クローン病、悪性腫瘍など
慢性炎症に合併
十二指腸

内視鏡

十二指腸は顆粒状粘膜を呈し、発赤を伴っている

病理

病理

粘膜固有層にアミロイド沈着あり

内視鏡

内視鏡

血管透見の乱れ、不明瞭化、微細顆粒状の粗像粘膜

病理

病理

血管周辺にアミロイド沈着あり

AL型

内視鏡

内視鏡

十二指腸は粘膜下腫瘍様の隆起多発
(今回の症例の方が多発している)

病理

病理

粘膜下にアミロイド沈着あり

内視鏡

内視鏡

大腸は黄色腸のSMT様隆起あり
(今回の症例に近い)

病理

病理

粘膜下にアミロイド沈着あり

本症例の診断

潰瘍を形成した悪性腫瘍様の病変

EUSでは3/5層前の粘膜不整所見、
4層(筋層)の浸潤は認めなかった。
診断目的に病変の一部をEMRした。
粘膜下層中心にアミロイド沈着あり
手術検体ではEMR検体と同様の状態であった。

診断:ALアミロイドーシス

「胃と腸アトラス」より引用

当初…

腎癌からの慢性炎症→AAアミロイドーシスを考慮していたが、
腎癌切除後もアミロイド沈着は改善しなかった。
腎癌はpT1bの腎細胞癌
明らかな遠隔転移をきたすものではないと泌尿器科からの診断
特殊免疫染色の結果はALアミロイドーシスの診断となった
骨髄穿刺や電気泳動を含め、施行したものの
多発性骨髄腫やMGUSの所見はなく
原発性アミロイドーシスの診断となり、
血液内科へ紹介となった
以後BD(ボルテゾミブ・レナデックス)療法施行となった。
多発する肺結節
肺アミロイドーシスの診断となった
(生検なし)

まとめ

参考/引用 文献

コメント

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